中和の問題

下の表は、60㎝3のうすい塩酸(A液とする)に、いろいろな体積のうすい水酸化ナトリウム水溶液(B液とする)を加え、それぞれの液を加熱した後に残った固体の重さをはかったものです。なお、オの液にBTB液を加えたところ、緑色になりました。下の(1)~(5)に答えなさい。
ただし、計算結果を答える際、割り算が必要な場合は、分数ではなく小数で答えなさい。また、割り切れない場合のみ、小数第2位を四捨五入して小数第1位まで答えなさい。

(1)表の①に適切な数値を入れなさい。

(2)(ア)~(カ)の中で、加熱して水を蒸発させたとき、ただ1種類の固体だけが残るものをすべて選び、(ア)~(カ)の記号で答えなさい。

(3)うすい塩酸(A液)60㎝3にうすい水酸化ナトリウム水溶液(B液)70㎝3を加えた液を、加熱した後に残った固体の重さは何gですか。

(4)うすい塩酸(A液)を、さらに水でうすめた塩酸(C液とする)を用意しました。うすい水酸化ナトリウム水溶液(B液)40㎝3を、水でうすめた塩酸(C液)で中和したところ120㎝3必要でした。水でうすめた塩酸(C液)はもとのうすい塩酸(A液)を水で何倍にうすめましたか。

(5)(ア)~(カ)と同じ液をもう一組用意して、それぞれの液にアルミニウムはくを入れたところ、1つだけ気体が発生しないものがありました。(ア)~(カ)の記号で答えなさい。また、発生した気体の性質として正しいものを、下の(い)~(と)からすべて選び、(い)~(と)の記号で答えなさい。

(い) 石灰水を白くにごらせる。
(ろ) 生物が呼吸によって吸収する。
(は) 空気より非常に軽い。
(に) 金属と結びついてさびをつくる。
(ほ) 水にとけて酸性を示す。
(へ) つんとするニオイがある。
(と) よく燃える。


この問題は塩酸を固定して、水酸化ナトリウム水溶液を増やしていきます。ということは、途中で塩酸がなくなると、食塩ができなくなり、あとは水酸化ナトリウムが固体で残ることになります。

(1)水酸化ナトリウム水溶液が入っていないので、塩酸だけですから固体は残らないので0が答えになります。

(2)表から食塩は10㎝3ごとに4.8g増えていきます。50㎝B液を入れたときは24gの固体ですので、ここまではずっと食塩です。問題文から(オ)で中和したので、この問題ではA:B=60:50が中和のポイントになります。

したがって1種類の固体が残るものは、(イ)(ウ)(エ)(オ)の4つになります。

(3)(オ)から(カ)は水酸化ナトリウム水溶液だけが増えているので、27.3-24=3.3gの増加がすべて水酸化ナトリウムになります。したがってA液60㎝3にB液70㎝3をまぜれば27.3+3.3=30.6gになります。

(4)A:B=6:5で中和しますので、B40㎝3に必要なA液は40×6/5=48㎝3です。これがC液120㎝3と同じですから、120÷48=2.5倍うすめたことになります。

(5)アルミ箔は塩酸でも水酸化ナトリウム水溶液でも水素を発生しますが、食塩水は発生しません。したがって中和の(オ)だけが水素が出なかったことになります。

水素の性質ですから、(は)と(と)になります。


中和の問題としては、問題文で(オ)で中和していることがわかっているので、やさしい問題ではなかったかと思います。中和の問題は塩酸を固定するか、水酸化ナトリウム水溶液を固定するか、どちらかのパターンですから、グラフの形をしっかり理解しておきましょう。

「映像教材、これでわかる水溶液」(田中貴)

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